今日から実践!フードロスを減らす簡単エコアクションと家計への恩恵
気候変動対策として、私たちの日常生活でできることは多岐にわたります。中でも、食卓から生じるフードロス(食品廃棄)は、世界の温室効果ガス排出量の約8〜10%を占めるとも言われており、個人で取り組むことの意義が大きい分野です。日本では年間約523万トンもの食品が廃棄されており、その約半分は家庭から排出されています。
「何から始めれば良いか分からない」「忙しくて時間がない」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、フードロス削減は、今日からすぐに実践できる簡単なアクションが多く、環境への貢献だけでなく、食費の節約という家計への直接的な恩恵も期待できます。
この記事では、忙しい日々の中でも無理なく実践できる、フードロス削減のための具体的なエコアクションをご紹介します。
今日からできるフードロス削減アクションリスト
1. 買い物前に冷蔵庫とストックを確認する
不必要な食品の購入を防ぐ最も基本的なステップです。
- アクション内容:
- 買い物に出かける前に、冷蔵庫、冷凍庫、パントリー(食料庫)に何があるかを確認し、使い切るべき食材を把握します。
- それから、必要なものだけをリストアップした買い物メモを作成します。
- 難易度: 簡単
- 効果の目安:
- CO2削減: 食材の買いすぎによる廃棄が減るため、その分の生産・輸送・廃棄にかかるCO2排出を抑制できます。具体的な削減量は個人の行動によりますが、フードロス1kgあたり約2.5kgのCO2排出を抑制できると言われています。
- 家計への恩恵: 無駄な買い物が減り、食費の節約に直結します。年間で数万円の節約につながる可能性もあります。
- 補足/ポイント:
- スマートフォンのメモアプリや、専用の買い物リストアプリを活用すると、より効率的に管理できます。
- 一週間分の献立を大まかに決めてから買い物リストを作成すると、必要な食材を的確に把握しやすくなります。
2. 食材の適切な保存方法を実践する
購入した食材を長持ちさせることで、鮮度を保ち、無駄なく使い切ることができます。
- アクション内容:
- 野菜は種類に応じて常温、冷蔵、冷凍を使い分け、適切な温度と湿度で保存します。例えば、葉物野菜は湿らせた新聞紙に包んで冷蔵、トマトやナスは常温保存が適しています。
- 肉や魚は、すぐに使わない分は小分けにして冷凍保存します。空気に触れないようラップでぴったりと包み、フリーザーバッグに入れると霜がつきにくくなります。
- パンやご飯も、すぐに食べない分は冷凍保存が効果的です。
- 難易度: 普通(少しの知識と手間が必要です)
- 効果の目安:
- CO2削減: 食材が長持ちすることで廃棄される量が減り、それに伴うCO2排出を抑制します。
- 家計への恩恵: 食材を使い切ることで、食品の買い足しが減り、食費を抑えられます。
- 補足/ポイント:
- 野菜の水分を保つ「野菜保存袋」や、鮮度を保つコンテナなども活用できます。
- 冷凍する際は、使う分量ごとに小分けにしておくと、解凍時の手間が省けます。
3. 余り食材を使い切る献立を工夫する
冷蔵庫に残った半端な食材を無駄なく活用する工夫です。
- アクション内容:
- 週末など時間がある時に、冷蔵庫の残り物チェックを行い、それらを使い切るためのメニューを考えます。
- 例えば、しなびかけた野菜はスープや炒め物、カレーの具材に。残ったご飯はリゾットやチャーハンにアレンジできます。
- 食材を使い切るためのリメイクレシピや、「冷蔵庫の残り物検索」ができるレシピサイトを活用するのも有効です。
- 難易度: 普通(献立を考える手間が増えますが、慣れるとスムーズです)
- 効果の目安:
- CO2削減: 食べられるにもかかわらず捨てられていた食品の廃棄量を削減し、関連するCO2排出を抑制します。
- 家計への恩恵: 新たな食材の購入を減らし、食費を節約できます。
- 補足/ポイント:
- SNSや料理アプリには、残り物活用レシピが豊富に紹介されています。日々の献立のマンネリ解消にも役立ちます。
- フードロス削減レシピを専門に紹介しているウェブサイトも多数存在します。
4. 外食・中食(テイクアウト・デリバリー)で食べ残しを減らす
家庭外での食事におけるフードロスにも意識を向けることができます。
- アクション内容:
- 外食時は、食べきれる量だけを注文するよう心がけます。
- もし食べきれない場合は、可能であれば「ドギーバッグ」(持ち帰り用の容器)を利用し、自宅で美味しくいただきます。
- テイクアウトやデリバリーでも、適切な量を注文し、食べ残しをしないように努めます。
- 難易度: 簡単
- 効果の目安:
- CO2削減: 外食産業からの食品廃棄は大量であり、個人の意識が全体の削減に貢献します。
- 家計への恩恵: 注文しすぎを防ぎ、無駄な出費を抑えます。
- 補足/ポイント:
- お店によっては持ち帰りを推奨していない場合もありますので、事前に確認するか、自己責任で判断してください。
- シェアできる料理は、複数人で分けて注文するなど工夫しましょう。
5. 食材の「捨てがちな部分」も活用する
普段捨ててしまいがちな部分にも、栄養や旨味が詰まっていることがあります。
- アクション内容:
- 大根やニンジンの皮、ブロッコリーの茎、キャベツの芯などは、きんぴらやスープの具材、だしとして利用できます。
- 魚の骨やアラからは、美味しいだしを取ることができます。
- 野菜のヘタや皮などを集めてベジブロス(野菜だし)を作ることも、旨味と栄養を余すことなく活用する良い方法です。
- 難易度: 少し手間がかかる(新たな調理法や下処理の知識が必要です)
- 効果の目安:
- CO2削減: 食べられる部分を最大限に活用することで、食品廃棄量をさらに削減します。
- 家計への恩恵: 食材を丸ごと使い切ることで、新たな購入量を減らし、節約につながります。
- 補足/ポイント:
- これらの部分は調理法を工夫することで、食材の栄養価をさらに高めることができます。
- インターネット上には、野菜の皮やヘタを使ったユニークなレシピが多数公開されています。
まとめ
フードロス削減は、一見すると小さな行動に見えるかもしれません。しかし、私たち一人ひとりが今日からできることを実践することで、その効果は大きく、地球温暖化対策に貢献するだけでなく、家計の節約という形で私たち自身にも返ってきます。
今回ご紹介したアクションは、どれも忙しい日々の中で取り入れやすいものばかりです。まずはできることから一つ、今日の買い物から、明日の食卓から、意識して始めてみてはいかがでしょうか。小さな一歩が、持続可能な社会への大きな変化を生み出す力となります。
「今日からエコアクション」では、この他にも様々な気候変動対策のアクションをご紹介しています。ぜひ他の記事もご覧いただき、ご自身に合ったエコアクションを見つけてください。